白昼夢、砂丘、幻視、廃墟
こんにちは。
黄昏の税理士受験生です。
今日は私が昨日読んだ(発売を心待ちにしていた)本のご紹介です。
J・G・バラード短編全集4 (下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件)
- 作者: J・G・バラード,柳下毅一郎,浅倉久志他
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2017/09/29
- メディア: 単行本
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J・G・バラードはイギリスの20世紀を代表するSF作家。
とはいっても、一般的にSFと聞いて想像するような作品は少なく、
ストーリーよりも独特の絵画的な世界が印象に残る作家です。
収録作品の「コーラルDの雲の彫刻師」や「風にさよならをいおう」などの
「ヴァ―ミリオン・サンズ」シリーズはその最たるもので、
読んでいて目に浮かんでくる風景や空気に心を奪われます。
ダリやエルンストなどのシュールレアリズム絵画が好きな方には
長編である「沈んだ世界」などの破滅3部作と呼ばれているシリーズもオススメです。
本作収録の「ウエーク島ヘ飛ぶわが夢」、3巻収録の「終着の浜辺」など
他にも傑作が多く、時代によって作風もさまざまですが、
初期の短編は特に読みやすいので未読の方はまずは1巻から。
私的には真夏の暑い日中にクラクラしながら読むのに
ぴったりだと思うのですが、もう秋ですね。
皆様も秋の夜長に夢(悪夢?)のような読書体験はいかがでしょうか?